8 *シビック RS*
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現在はスバリストであるわしだが若い頃はホンダ党であった。その後マツダ派になってスバリストになった。こうしてみるとトヨタ、日産は全然買ってないな。レンタカーではトヨタを使っていたが・・
とにかく当時のホンダはいつも斬新な車を出してきて車好きにはたまらないメーカーだった。もともと二輪車メーカーであったホンダが本格的に4輪車に進出したのは65年2月にデビューした本格2シーターオープンの「S600」であった。これも類まれな名車だ。そして次にデビューしたのが67年の軽自動車、「N360」である。これも当時の軽自動車界にあって飛びぬけて高性能の車であった。まさにバイク屋ホンダの面目躍如である。
しかし、ホンダの4輪車メーカーとしての地位を不動のものにしたエポックメイキングな車はやはり72年デビューの「シビック」ではなかろうか。一部のシビックに積まれたCVCC(複合渦流)エンジンは当時のアメリカの排ガス規制(マスキー法)を触媒を使わず世界で初めてクリアしたもので結果、大人気を博した。当時インテリを自称する人たちはこぞってシビックを絶賛し、トヨタでさえCVCCのパテントを買ったぐらいである。もちろんコンパクトな車体の割りにFFの利点を最大限生かしたその居住性の広さもその人気の原因の一つであった。
わしも大学の頃友達がこのシビックを持っていてそれに何回か乗せてもらった。それも74年にデビューし、わずか10ヶ月しか生産されなかったRS(ロードセーリングの略)と言うスポーツモデルである。標準仕様が60〜69馬力であるのに対し、ツインキャブを搭載し76馬力を発してロードセーリングと言うグレード名が示すように高速巡行型の車であった。75年には日本の排ガス規制に合わせてシビック全車がCVCCエンジンを積み、このモデルはカタログ落ちした。
わしは友達とこのRSで東京まで高速道路で何時間で行けるかを試してみた。結果は事故渋滞に巻き込まれたり、東名の由比ガ浜あたりでたまたま日本に接近してきた台風による暴風雨で進めなくなり、10時間以上かかってしまったが・・ とにかく乗っていてとても楽しい車だった。このオレンジ色がこのRSにはぴったりだったんだよな〜。
マメ知識:CVCCは通常の燃焼室のほかに小さな副燃焼室を持ち、この副燃焼室に濃い混合気を吹き込みここで点火、その火で主燃焼室の薄い混合気を燃やすと言うコロンブスの卵的発想のエンジンであった。