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カテゴリ:05社会・政治 お笑い経済外論

危機のシナリオはどこまでいくのか?

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I4qi9glu
 この2〜3週間は世界的株安の大騒動であった。日米欧の中央銀行が緊急の資金供給を行い、一時的にサブプライムローン危機が収まったかのように見える。が、根本的な事態はなんら解決していない。いまのところ各国中央銀行とも対処療法しかないのが実情だ。今まで金回りが世界的に順調に回転していたのが米国のサブプライムローンへの不安感から投資家のリスク許容度が一気に限度に達し、狼狽的な資金回収が始まり、逆回転を起こしたというのが今回の株価暴落に繋がったというのが一般的な見方だろう。
 問題はこれがあとどこまで波及するかと言うところだが、まず多少のリスクに目をつぶって新興国に流れていた投資資金がいっせいに引き上げを始めるかどうか。さらに中国バブルの動きも目が離せない。展開によってはさらにひどい状況にもなりかねない。
 さらに日本の景気も結局は相変わらず「外需頼み」一辺倒なので当然大きな打撃を受ける。吹き荒れたリストラの嵐と個人の働き場を確保して個人所得を増やすと言う地味な仕事を無視してきた政府と財界によって日本の個人消費は二極分化し、富裕層はともかく肝心な低・中所得者層の底上げがなされなかった。結局景気回復といっても堅実な内需によるものでなく輸出産業におんぶに抱っこだったわけだから。

 で、逆転現象を起こして株、不動産、新興国投資といった場面から引き上げ始めた巨大なリスクマネーはどこへ向かうのか? まず安全性の高い国債が考えられるが、もっと巨大な市場は実物市場が考えられる。例えば金、石油、農産物などの商品市場だ。実際あるファンドマネージャーはいったんそういう市場にマネーを逃がそうと思っていると発言したそうだ。そうするとこれも日本にとっては痛い話である。軒並み輸入原材料高となるとインフレに悩まされることになる。
せっかく秋口にはガソリンの値段が下がるかと期待していたのだがそうはいかなくなる可能性も出てきた。
 日本国内で問題になるのが日銀だ。さすがに8月には利上げを見送ったが福井総裁はとにかく自分の引退の花道に利上げに固執している。9月以降、強行してくる可能性もある。そうなると金利引き上げの効果が現れるのと現実の経済の動きにはタイムラグがあるので金利引き上げと言うブレーキを踏んだ後に景気刺激というアクセルを踏んでも効果はなくまたデフレに逆戻り、失われた10年がまた再来して居座ることにもなりかねん。

この混乱の行く末は?

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Tuyjztus
 この2、3日の世界株の混乱はまぁ、来るべきものが来たか!と言う感じである。大元の原因はアメリカの「サブプライムローン」の問題だがそのことはもう散々新聞・テレビで報道されてるのでここでは書かない。
 従来、株に比べれば社債・国債などの債券は比較的安全だとされてきたが昨今の金余り現象による過度の債券への投資集中はそれを危うくしている。ある経済雑誌の記事には世界的に有名な債権格付け機関のスタンダード&プアーズによる米国企業の70%(金融・電力を除く)がBB以下の格付けなんだそうだ。BB以下は要するに「ジャンク債=ゴミ債券」であり、投資不適格扱いである。2、3日前までの空前の株高にもかかわらず・・だ。本来なら企業の信用力である格付けと株価はある程度連動する。
 なぜこのような乖離が起こったかと言うと世界的な投資ファンドによる企業支配が進んだことによる財務に対する考え方が180度変わってしまったことが指摘されている。従来高格付けの会社は「無借金で内部留保が厚い」会社であり、日本の大企業といわれるところは大体そういう経営を理想としていた。しかし昨今流行の投資ファンドから見るとそういう会社は持っている資産を有効活用しておらず株主利益を最大化する努力を怠っている。逆に低格付けの会社は借り入れの多いリスクの高い会社だが借金の金利で節税し、さらに借り入れを増やして自社株買いをすれば株数を減らして株価上昇を起こせるので確かにリスクは高いがそれに見合う利益も取れるのである。つまり「財務体質の弱い会社の金融商品化」である。ファンドの狙いは企業の経営の永続性ではなく価値を吊り上げて転売利益を稼ぐということであり、今までは世界的にそれは成功してきた。欧州では究極のジャンク債と言われる北朝鮮国債が10年前に欧州通貨建てで発行され、額面の4分の一前後で売買されている。単純計算でも利回りが表面利率の4倍になるわけだ。誰もが北朝鮮の国債が値上がりするなんて信じちゃいないし、元本保証だって怪しいのに高金利だということだけで本当に流通してるのだ。
 しかし今回のこの騒動は今後の大きな転換点になるかもしれない。すべての投資家が喜ぶ仕組みがいつまでも続くわけがない。金融市場はババ抜きゲームだ。リスクを取って誰かにリスクを移転して鞘を抜く。最後にやってきてババを抜いたものが大損をする。その最後に来るのは誰か? あるユダヤ人の投資家はこう言ってるそうだ。「私は日本人が大挙してやってきたら逃げることにしている。彼らが一番最後にやってくるから。」 気になるのは昨今の投資信託ブームである。今、日本の個人投資家がかなりの勢いで外債の投信を購入しているがそろそろこれヤバイかもしれない。

世界初の先物市場

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J_tveuss
 江戸時代の米は貨幣と同じ価値を持っていた。税金の単位であり、侍の給料の単位でもあったのだ。しかし8代将軍吉宗の時代、新田開発が進んだことと農業生産性の向上により、米価の下落(デフレ)に歯止めがかからなくなった。 米将軍とも揶揄された吉宗は米価下落をさまざまな政策で止めようとしたがうまくいかずついに享保15年(1730年)に大阪堂島での「帳合米商い」(先物取引)を公認。価格統制をあきらめ、民間市場に価格形成を委ねる方向に政策転換を決断したのだ。
 まさに世界に先駆けること100年以上も早い世界初の商品先物取引市場の誕生となったのである。今世界最大の先物取引のシカゴ商品取引所の便覧にも「先物取引は大阪が発祥の地」と書かれている。この堂島の先物取引が始まって以降、米価は持ち直した。両替商を経営していた経済学者片山蟠桃は「現物米と帳合米は昼夜の如し。平常は価の差ありといえども、期末には同価となるゆえに血液通ずるなり」とまさしく金融工学の本質をずばりついた言葉を残している。
 このように江戸時代の経済人は世界的にも先進的な文化、科学を持っていたのだが惜しいことかな明治になってこの先物市場は明治新政府の官僚達によって潰された。理由は自分達の統制が及ばぬものは自分達にとって不都合な存在だったからだ。ここにも官僚の本質が透けて見える。

 もしこの先物市場がずっと続いていたら大阪堂島がロンドンやニューヨークに代わって世界最大、最先端の金融市場になっていたかもしれん。

日本初のミリオネーゼ?

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Pyahadel  日野 富子(ひの とみこ、女性、永享12年(1440年) - 明応5年5月20日(1496年6月30日))は、室町幕府8代将軍足利義政の正室。父は蔵人右少弁・贈内大臣の日野重政、母は従三位の北小路禅尼。9代将軍足利義尚の母。

 山城国(京都府)の生まれ。室町幕府の足利将軍家と縁戚関係を持っていた日野家の出身。1455年(康正1)8月27日に16歳で義政の正室となった。
 政治に興味を示さない夫に代わって幕政に深く関わり、影響力を行使した。1466年(文正1)に富子は足利義尚を出産する。ところが、義尚は義政の子ではなく後土御門天皇の子ではないかという噂が広まった。これは、前年に男子の生まれない義政は実弟で仏門に入っていた義尋を還俗させ、名を足利義視と改めて細川勝元を後見に将軍後継者としていた事に対し、富子が反発していた事から来た噂のようだが、はっきりとしたことは分からない。幸いにも義政の耳には入らなかったが、この頃から悪妻の噂が立ち始めた。

 富子は後見の山名宗全や実家である日野家の権威を背景に、義尚を次期将軍に押し、将軍職継承をめぐっての義視との対立や斯波氏、山名氏の家督相続問題が連携して応仁の乱・文明の乱の一因となった。
 富子は京都七つ口に関所を作って関銭を徴集し、米相場や高利貸しからの賄賂を受けるなど利殖活動を行い、彼女の財力によって室町幕府が運営されていた。その遺産は七万貫(約70億円)に達していたという。だが、その活動に対する一般市民からの評価は決して高くなく、お金儲けに熱中した悪妻と囁かれた。
 1489年(延徳1)に六角高頼を討伐に遠征中の義尚が没し、次いで義政も没する。そこで義視と自分の妹の間に生まれた足利義材を将軍に擁立した。ところが義視はこれに反発。富子の邸宅を破壊し領地を差し押さえた。義視の死後、義材も父の遺志を継ぎ富子に反発。だが、1493年(明応2)に細川政元と共にクーデターを起こし義材を廃し、義政の甥で堀越公方足利政知の子足利義澄を将軍に就ける(明応の政変)。だが、寿命もあって1496年に死去してしまう。享年57。

以上 Wikipedia より出典

 応仁の乱の引き金を引いたと言われる日野富子だが近年の研究ではこのイメージは、後世になってゆがめられたものだと言われている。武力を持たない富子は、武将たちの金と名誉への欲望を逆手にとって、戦闘を停止させたという説もある。しかし男の武将たちには思いもよらないその手段が彼女の評価を悪くさせていくことになったそうだ。
 壊れた夫婦関係、夫の愛人との確執、悲運の息子への愛。将軍家の愛憎深い人間関係を抱えながら、無力な夫と幼い息子に代わって幕府を切り盛りした。まさに日本初の女性実業家、ミリオネーゼか。

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