晴明! なにやってんの 第十九夜
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- 15同人誌 晴明! なにやってんの
晴明神社の近くにある「一条戻り橋」。この橋は洛中、洛外の魔界の中心である。かつてこの場所は大内裏の鬼門に当たり、またその北は葬送の地となっていた。その為死や魔物の話が多かった。
「源平盛衰記」では晴明は妻が式神の容貌が醜いと恐れたため橋の下に式神を隠し置き必要なときに呼び出して吉凶を占ったという。
また蘆屋道満との呪術合戦のエピソードの一つに戻り橋が登場する場面がある。晴明の父親が道満の陰謀で一条戻り橋で殺害されたとき晴明が「生活続命の法」で父親を蘇生させたという。魔界との接点である戻り橋は命が戻ってくるという伝承も持っていたのだ。
大正時代まで使われていた石橋の「戻り橋」は現在晴明神社の境内に展示されている。代わりに現在堀川にかかっている橋はコンクリート製のそっけないもので下を流れる堀川もコンクリートで固められ普段は水も流れておらずとても魔界の雰囲気はない。