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151015 本格ミステリーの旗手、芦辺拓氏のまだ大人じゃないけどもう子供でもない講談社YA! ENTERTAINMENT ヤングアダルト向け小説。具体的には中高生向けレーベルかな?

本格ミステリーで日本推理界の一角を占める氏の作風はとにかくとことんトリックをこれでもかこれでもかと惜しげもなく注ぎ込んでくるんでかなり濃い作品が多い。でも一方、こういう少年向けジュブナイルや名探偵もののアンソロジーも手掛けていて「これおんなじ作者か?」と思うようなこともある。(笑)

今回も以前からこだわっていた美少女探偵冒険活劇ものを書いた。ヤングアダルト向けとしては冒頭から飛ばす飛ばす。いきなりミサイル爆発!ってのも「ええー!」もんだがヤングアダルト向けならそれでいいんだろう。大人向けミステリーのようなちんたらした展開では子供は食いついてこない。事件解決までドドドと進んでいく。作者が後書きで言うようにこれで子供が「ミステリーに興味を持ってくれればいい」ということだろう。本作はそういうことを願って書かれた本だ。

ただ本作では「美少女探偵すぴか」の正体はほとんどわからずじまい。だがこれは多分今後書かれるであろう続編で明かされていくに違いない。(そう期待する 笑)

余談だが第四章では昔読んだ探偵漫画のあるシーンを思い出した。この作者、時々こういう遊びをする。(笑)