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100227_02  長門有希フアンの皆様ごめんさない。やっぱりわしが描くとおふざけになりました。こういうのをさりげなく出されると男はドン引きするな。 では感想いってみましょうか。(藍麦さん風) ネタバレありなのでまだ映画を観てない人はご注意。

 先週四条烏丸COCONの京都シネマに朝8時に観に行った。7時15分頃に着いたら既に20人くらい並んでいて45分頃の開場時には数十人くらい並んでた。ここは入れ替え制だが指定席ではなく全席自由席だ。良い席を取ろうと思ったら早めにいって並ぶ必要がある。観終わってロビーに出たら次の回を観る人でロビーは超満員だったぞ。

 映画そのものは良い映画だった。2時間40分なんて長さをまったく感じさせない。まさか話としてあの七夕のエピソードと繋がっているとは思わなかったが時空を超えて話が連なってるとはよく考えられてストーリーが作られている。テレビシリーズを観ている者にとってはけっこう嬉しい演出だよな。(原作は未読です) 映像自体も全体に色調を押さえ気味にしていて「非日常」の世界から平凡な「日常世界」に引き込まれたキョンの心理を象徴し、またハルヒの消失というミステリーさを強調している。最近のドハデなCGに頼るアメリカ映画なんかよりはるかに映画として出来が良いように思う。もうアニメの域を超えているといったら褒め過ぎだろうか。

 この映画はタイトルこそ「涼宮ハルヒの消失」だがテーマは「長門有希の願い」なのかな。改変された世界では「非日常」の象徴であった有希がごく平凡な「日常的な女の子」に変っていた。他のキャラは立ち位置が少々変ってはいるが性格に大きな変化は無いのに有希だけが大きく性格が変っている。これがキョンに大きな違和感を抱かせ、結果元の世界に戻ろうとする決意をさせる遠因になったのも有希にとっては皮肉な話だ。それと朝倉さんの復活はこの映画に極めて不穏な空気感を漂わせ、この「日常的な世界」に対する不安を映画を観る者に抱かせる。それに忘れかけたあのタイミングでの再登場と凶暴さは意外性を突かれめちゃ怖かったし映画の演出としてはなかなか良い。これもある意味彼女の立ち位置が変ってないということでやはり変っていたのはそれを望んだ有希だけであった。

 ハルヒのいた「非日常の世界」に戻ろうとするキョンを引きとめようとするこの有希の姿がけなげでありとても印象的だった。

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