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 産婦人科が激減している。さらに小児科も減少傾向だ。 国の対策はどうやったら子供を産む数を増やすか、出生率を上げるかという技術論に終始しているが一番基本的な「安心して子供を産める・育てられる」ための基盤・体制が壊れ始めているのが日本の現状だ。

  京都新聞7月19日記事より抜粋

 今年4月に島根県隠岐島の隠岐病院では産婦人科が閉鎖された。最後まで頑張っていた医師が事情があって退職したためだ。隠岐の島々には約23,000人が住んでいて年間約130件の出産があるが今後は妊婦は本土の総合病院まで行かねばならない羽目になった。本土まではフェリーで二時間半、出雲までの航空便は一日一便、ほとんど満席状態である。妊婦は一ヶ月前から本土に渡り、宿泊先で待機する必要がある。経済的にも精神的にも負担は大きい。
 産婦人科医の減少が加速している。高齢出産などによる異常分娩や障碍児出産の増加の中で、産婦人科医が医療ミスで提訴される例が全診療科の中で一番多いため若い医師が産婦人科になりたがらないのだ。特に去年の福島県での帝王切開のミスを問われた医師が逮捕、起訴された事件が研修医や医学生に衝撃を与えた。毎年4月に全国の大学病院の産婦人科に入局する新人医師は3年前の300人前後から今年は230人に減った。
 産婦人科医が過労に陥らず安定した診療を行うには一病院に常勤医は二人以上必要だが昨年7月現在で平均1.74人。一人だけの施設が多い。しかも全国の産婦人科医の四分の一が60歳以上。10年後を考えると慄然とする。隠岐の病院の件は隠岐町長らが奔走した結果、今年11月から県立病院から隠岐病院へ常勤体制で二人派遣されることに決まった。
 以上抜粋終わり。

 まぁ。隠岐の人たちはひとまずほっとしたことだろうが事は隠岐だけの問題ではない。日本全国に共通する問題である。小児科も実は似たり寄ったりの状況だ。国の少子化対策からはこの問題点についての視点がすっぽり抜け落ちてるんじゃないか? 補助金出すとか保育所増やすとか言っても安心して産み、育てる医療基盤が無ければせっかく女性が妊娠してもみんな死産・流産、子供の病死が相次いで結局少子化が進行するじゃないか。出生率を上げるだけでは意味がない。出生率を上げるのも確かに大事だが産婦人科・小児科の確保の方が喫緊の課題だ。

 以前知り合いの産婦人科にある話を聞いたことがあるのだがそれはもう惨憺たる話であった。それはこの話とまた絡めて改めて後日書きたい。 結構重い話ではある・・