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6iah6mio  通貨と言う決済インフラは国家の信用を背景に流通している。要は国家がその価値を保証し、皆がそれを信じているから成り立つのである。

 しかし昨今は従来の「国家が発行する通貨」以外の「企業が発行する私的通貨」がおおはやりになってきた。いわゆる航空会社のマイレージ、小売業者・金融業者のポイント等などである。しかもこれらが相互交換できるようになってきた為、発行企業の信用をベースにしているという以外はまったく普通のお金並みの機能を持つようになった。わしも以前JCBのポイントを上新電機のポイントに交換し、デジタルオーディオを買った。
 さらにスイカやエディなどの電子マネーとの交換も始まった。電子マネーはケータイでも使え、国家の通貨発行量にも影響を与え始めている。実際日銀が発表するマネタリーベースでは今年3月の硬貨流通量が1971年の統計開始以来初めて減少した。そりゃ−、全部電子データーで決済されれば現物の通貨はいらんからな。
 この「ポイント」と「電子マネー」の融合がどんな結果をもたらすか? それは今後国の金融政策にも多大な影響を与える可能性があり、インターネットを通じて世界中に広がれば国際経済のシステムをも揺るがす懸念すら出てくる。なんせマイレージやポイントの発行企業が倒産すれば価値は0になるから。 だからあんまし貯めこむ事はせず、早め早めに使うのがいい。わしも上新電機のポイント早く使っておこう。
 電子マネーと融合し、巨大な力を持ち始めたポイントマネーがどんな事態をもたらすか・・人類史上壮大な実験が始まっているのである。

 蛇足であるが日航のマイレージを持っている人は早めに使い切った方がいい。日航が倒産したら全部パーである。今年3月期の日航の決算は472億円の赤字。2期ぶりの赤字と言うことだが航空機購入時の割引を利益に計上しているので実態は5期連続の赤字だそうだ。んでもって簿外債務なども考えると実質債務超過。今年度は約4,700億円の資金が必要だが営業キャッシュフローは年間1.700億円だそうだ。資金ショート寸前とも言え、数字の上では存続の可能性は低いと言わざるを得ない。
 政治的判断で潰さないとしてもマイレージがある日突然無効になる可能性は高い。